「まことに、この人は神の子であった」。2025/05/18 20:11

イエスにむかって立っていた百卒長は、このようにして息をひきとられたのを見て言った、「まことに、この人は神の子であった」。(マルコによる福音書 15:39)


And when the centurion, who stood there in front of Jesus, saw how he died, he said, “Surely this man was the Son of God!”

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イエス・キリストが、ユダヤ教の幹部やローマ軍によって磔(はりつけ)の刑にされ、殺害されたときに、ローマ軍の将校である百卒長という地位の人間がイエスを神の子だと認めたときの言葉です。

聖書が書かれるのは、イエスの死後、30年くらいたった時で、まだ、ローマ帝国はキリスト教に改宗していませんが、既に、ローマ帝国がイエスの教えを認める基盤はあったということです。

イエスは、伝道中にローマ軍の兵士や将校を助けたこともあり、エルサレムを占領していたローマ軍の中にもイエスを認める者がいた。しかし、ローマ帝国はユダヤ人の土地を占領しており、ユダヤ教とは良好な関係を維持したいと考えていた。そのため、ユダヤ人の政治的、宗教的な指導者とは良好な関係にあり、ユダヤ人のエリートが危険視するイエスには警戒していた。

これは、戦後、アメリカ軍が日本を占領した時に、日本のエリートや皇室と良好な関係を持とうとしたことを思い出させる。日本を騒乱なく占領するのには、軍部を解体し、天皇家を親米にするのが重要だとアメリカ軍は考え、占領軍の最高司令官のマッカーサー元帥は、天皇による表敬訪問も受け入れた。そのときの、マッカーサー元帥と昭和天皇の写真が日本の新聞で発表され、日本国民は、それまで神だと教えられて来た天皇がマッカーサー元帥に従属するものだと知った。そして、それ以後の占領軍による日本占領は円滑に進んだ。21世紀の今日にいたるまで、皇室は親米路線を維持し、日本政府や日本のエリートも、アメリカを崇拝する姿勢を取っている。

しかし、日本の神道がアメリカの国教になることはなかった。ところが、2千年前のローマ帝国は、占領していたパレスチナのユダヤ人の中の、イエス・キリストの教えを4世紀には公認し、やがて国教とした。それを暗示させるローマ軍の百卒長の言葉が、このように聖書に記録されている。


そういう意味で、アメリカのキリスト教を基盤とするアメリカの民主主義を全面的に受け入れ、キリスト教の精神に基づく新憲法を受け入れた日本人は、しかし、天皇家を廃止することはなかった。今も、ユダヤ教が生きているのと同じように、天皇家も生き続けている。ユダヤ教はキリスト教の基礎として、キリスト教の旧約聖書に記録されており、キリスト教が続く限り、ユダヤ教やユダヤ人は特別な地位を与えられるようになっている。ただし、イエス・キリストを認めないのが、ユダヤ教の姿勢です。

ところが、日本の場合は、戦後、皇室は生き残って親米路線を徹底させ、歴代の日本の親米政府と軌を一にしている。戦前は、日本の軍部によってかつがれていた皇室は、戦後は米軍にかつがれるようになり、アメリカに従属する日本政府も、皇室をかつぎ続けている。しかし、皇室とキリスト教は根本的に相容れない。今の日本人が、現憲法の基盤のキリスト教を取るか、戦前は軍部と結びついてた皇室を取るかの選択を迫れれば、当然、日本人は現憲法/キリスト教を取る。それが分かっているから天皇家は、国民の前で低姿勢を続けている。主権者は国民であり、天皇には主権はないということは、天皇家の地位はいつでも、国民によって変えられるということであり、天皇家は国民の機嫌を伺わなければならない。それでも、伝統的な神道や文化に影響力を持つ天皇家をかつぐ人々は今の日本にも存在する。

天皇家が潜在的に危険なのは、そういう天皇崇拝の政治家が権力を握り、天皇に「戦争やむなし」と言わせれば、再び戦前のように日本は戦争に駆り立てられる可能性があるからです。また、そういう危険性を指摘し、保守政治に反対する左翼勢力は、戦争をして米軍を駆逐したいと思っており、天皇家以上に好戦的な危険な存在です。従って、天皇家の潜在的な危険性を知りつつ、より好戦的な左翼勢力は拒絶するのが得策だというのが、日本の平和のために重要になる。

2千年前には、ローマ帝国に占領されていたユダヤ人は、今ではキリスト教国のアメリカの後押しを得て、イスラエルというユダヤ人の国を持ち、周辺のアラブ人と対立している。このような状況は、神様やイエス・キリストが喜ばれるものではない。必ず、神様やイエス・キリストの介入があると考えられる。特に、平和の元后とされる、聖母マリアの霊は、苦しむガザの人々を見て悲しんでおられる。日本人は、ガザやパレスチナで苦しむアラブ人を見捨ててはならない。

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